実際のところロックオン・ストラトスはアレルヤ・ハプティズムの容姿についてもかなり気に入るところがあり、非常に興味を持っている。 自分と異なる浅黒い肌。細く引き締まって無駄なものがない。バランスとしては少し胸板が厚めかもしれない。しかしそれと細い腰とが相互に強調され絶妙な色気がある。 簡単に言えば−端的ではあるが下品な言い方になるのだが、要はエロい体だとロックオンは勝手なことを思っている。 ロックオンは自分の快感に夢中になりすぎるアレルヤを見るのが好きだった。 あまりの息苦しさに、掛けた静止の声は届かず、押しやろうとした手は掴まれ縫い止められ、引きかける腰に勝手に誘われ尚押し付け、体はがんじがらめ、意識は宙ぶらりんになる。 もちろん我に返ってはにかんだり、焦ったりするのもいい。 しかし二人きりの空間で途方もなくバラバラになるその一瞬が何故か嫌いではなかった。 自分に覆い被さる男の体。仰ぎ見た美しい顔。 固くつぶられた瞼の薄さ、震える睫の思わぬ長さ。それから、ふと開いた目の普段穏やかな灰色が潤み溶けるのも、時々鋭い金色がぎらりと輝くのも好きだった。 こめかみから伝い、尖った顎で玉になった汗が、乱れる髪のパサパサという音と一緒に自分に落ちてくる、そんなことにも興味を惹かれる。 しなやかで頑丈な体を行使したアレルヤがロックオンの横にぐたりと体を置く。 汗に張り付いた自分の前髪を分け、荒く息を継ぐ度にうねる背中を見つめる。 今の今まで、この美しい男が馬鹿みたい自分の体に欲をぶつけ、汗だくの息せきった姿を晒している。 お前が男の体なんかに夢中になっちゃってるのが不思議で堪らなくて、しかもそれが俺だっていうのが訳わかんなくてすごい気持ちいいよな。 ふと笑いながら言ったロックオンの言葉にアレルヤの顔がみるみる赤くなっていく。 それに何か言いかけて、出来ずに噤まれた唇が可愛い。 不貞腐れたようにそっぽを向いた背に体を寄せる。体温の高い体はそこだけ子供を思い出させる。 頬を押し当てているとくぐもった声が聞こえ体を起こす。 どうしたという問いに「結局あなたのいいようになる」と恨めしそうな声が返ってきた。 気に入られてしまったばかりに、損ばかりする美しい男に、申し訳ないと思っても、手放してはやれないのだと所有の印を新たにつける。 |